1級建築施工管理技士実地試験の過去問と解答例
問題1(経験記述)
建築工事の施工者に対して、建築物の施工品質の確保が強く求められている。あなたが経験した建築工事のうち、発注者や設計図書等により要求された品質を実現するため、品質計画に基づき品質管理を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の設問1.から2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、延べ面積又は施工数量、主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、主な改修内容、施工数量又は建物規模
ニ.工期( 年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
設問1
工事概要であげた工事で、あなたが担当した工種において実施した品質管理活動の事例を2つあげ、次の①から③についてそれぞれ記述しなさい。
ただし、2つの品質管理活動は、それぞれ異なる内容の記述とすること。
① 発注者や設計図書等により要求された品質及びその品質を満足させるために特に設定した品質管理項目を、工種名をあげて具体的に記述しなさい。
② ①で設定した品質管理項目について取り上げた理由を具体的に記述しなさい。
③ ①で設定した品質管理項目をどのように管理したか、その実施した内容を具体的に記述しなさい。
設問2
工事概要にあげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、品質管理目標、品質管理項目及び活動内容を協力業者等に、周知するため及びそれらに基いて施工されていることを確認するための方法・手段を具体的に記述しなさい。
なお、1.3の「実施した内容」と同一の記述は不可とする。
きょうこ先生
実地試験は繰り返しの記述練習が大切です。がんばれば必ず報われますよ。
問題2
次の1から3の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や安全帯などの保護具の使用、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。
1 ロングスパンエレベーター
2 高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
3 バックホウ(バケット容量0.5m3程度)
問題3
次の1から8の各記述において、記述ごとのからの下線部の語句又は数値のうち最も不適当な箇所番号を1つあげ、
適当な語句又は数値を記入しなさい。
1
ラフテレーンクレーンと油圧トラッククレーンを比較した場合、狭所進入、狭隘地作業性に優れるのは、①ラフテレーンクレーンある。
クローラクレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、ブーム下のふところが大きく、より建物に接近して作業が可能なのは、②直ブーム式である。
また、定置式のタワークレーンの水平式と起伏式を比較した場合、吊上げ荷重が大きく揚程が高くとれるのは、③起伏式である。
2
根切りにおいて、床付け面を乱さないため、機械式掘削では、通常床付け面上30~50 cm の土を残して、残りを手掘りとするか、ショベルの刃を①爪状のものに替えて掘削する。
床付け面を乱してしまった場合は、粘性土であれば礫や砂質土などの良質土に②置換するか、セメントや石灰などによる③地盤改良を行う。
3
アースドリル工法は、アースドリル機の①クラウンの中心を杭心に正確に合わせ、機体を水平に据え付け、掘削孔が鉛直になるまでは慎重に掘削を行い、表層ケーシングを鉛直に立て込む。
一般に掘削孔壁の保護は、地盤表層部はケーシングにより、ケーシング下端以深は、②ベントナイトやCMCを主体とする安定液によりできるマッドケーキ(不透水膜)と③水頭圧により保護する。
4
鉄筋のガス圧接を行う場合、圧接部の膨らみの直径は、主筋等の径の①1.2倍以上とし、かつ、その長さを主筋等の径の②1.1倍以上とする。
また、圧接部の膨らみにおける圧接面のずれは、主筋等の径の③1/4以下とし、かつ、鉄筋中心軸の偏心量は、主筋等の径の1/5以下とする。
5
型枠に作用するコンクリートの側圧に影響する要因として、コンクリートの打込み速さ、比重、打込み高さ、柱や壁などの部位等があり、打込み速さが速ければコンクリートヘッドが①大きくなって、最大側圧が大となる。
また、せき板材質の透水性又は漏水性が②大きいと最大側圧は小となり、打ち込んだコンクリートと型枠表面との摩擦係数が③大きいほど、液体圧に近くなり最大側圧は大となる。
6
型枠の高さが①4.5m以上の柱にコンクリートを打ち込む場合、たて形シュートや打込み用ホースを接続してコンクリートの分離を防止する。
たて形シュートを用いる場合、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの約②1/2以下とする。
やむを得ず斜めシュートを使用する場合、その傾斜角度は水平に対して③15度以上とする。
7
鉄骨工事におけるスタッド溶接部の15 °打撃曲げ検査は、①150本又は主要部材1個に溶接した本数のいずれか②少ない方を1ロットとし、1ロットにつき③1本行う。
検査の結果、不合格になった場合は同一ロットからさらに2本のスタッドを検査し、2本とも合格の場合はそのロットを合格とする。
8
トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、すべてのボルトについてピンテールが①破断されていることを確認し、1次締付け後に付したマークのずれを調べる。
ナット回転量に著しいばらつきが認められる群については、そのボルト一群の②すべてのボルトのナット回転量を測定し、平均回転角度を算出し、ナット回転量が平均回転角度±③45度の範囲のものを合格とする。
問題4
次の1から4の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、気象条件等による作業の中止及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1 屋上アスファルト防水保護層の平場部の工事における施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、保護層の仕上げはコンクリート直均し仕上げとする。
2 内装床の張物下地のセルフレベリング材塗りにおける施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、セルフレベリング材は固定プラント式のスラリータイプとし、専用車両で現場まで輸送供給されるものとする。
3 鉄筋コンクリート造の内壁モルタル下地面への有機系接着剤によるタイル後張り工法における施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、ユニットタイル張りに関する記述は除くものとする。
4 室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
ただし、下地材の調整、開口部補強及び張付け後の養生に関する記述は除くものとする。
問題5
市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の1から3の問いに答えなさい。
なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。
〔工事概要〕
用途: 事務所
構造・規模: 鉄骨造地上5階、地下1階延べ面積3,200 m2
ただし、地下1階は鉄骨鉄筋コンクリート造とする。
基礎: 直接基礎(べた基礎)
山留め: ソイルセメント壁水平切梁工法とし、応力材の鋼材は引き抜かない。
山留め壁は、地下外周壁の外型枠として兼用する。
揚重: 鉄骨建方及びPCカーテンウォールの取付けは、クライミング式ジブクレーンで行う。
外部仕上げ: 屋根はアスファルト防水のうえ、保護コンクリート直均し仕上げ、外壁のうち2面はスパンドレル方式の50角モザイクタイル打込みPCカーテンウォール、他の2面は工場で仕上げ済みのALCパネルとする。
1 工程表中の鉄骨工事のA及び内装工事のBに該当する作業名をあげなさい。
2 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を工程表の中より選び、適当な工程となるように、その終了日を月次と旬日で定めなさい。
3 建具工事における2~5F外部建具取付けの作業工程は、未記入となっている。適当な工程となるように、その作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。
問題6
次の1から3の問いに答えなさい。
1 「建設業法」に基づく主任技術者及び監理技術者に関する次の文章において、にあてはまる語句を記述しなさい。
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の の作成、 、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
2 「建築基準法施行令」に基づく建て方に関する次の文章において、にあてはまる語句を記述しなさい。
建築物の建て方を行なうに当たっては、 を取り付ける等荷重又は外力によるを防止するための措置を講じなければならない。
3 「労働安全衛生法」に基づく健康診断に関する次の文章において、にあてはまる語句を記述しなさい。
事業者は、 な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、 による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。
きょうこ先生
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猫さん
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